2013年02月09日

【cinema】それから

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相性のよい監督と俳優というものが存在する。
監督の世界を瞬時に理解し、見事に体現出来る俳優。
森田芳光監督と俳優・松田優作がそれである。

両者とも「静」の中の
(時に狂気にも似た)「動」を描くことに長けている。
かつて彼らがタッグを組んだ『家族ゲーム』
二人の息、いやむしろ映画への情熱・思想等が
ぴったりと合った作品であった。
あの主演はやはり松田優作でなければならないし、
監督も森田芳光でなければなりえなかっただろう。

さてそんな二人が再びタッグを組んだ作品。
『それから』

ここで驚くべきは二人の相性の良さにプラスして
原作者である夏目漱石との相性の良さである。

一見、淡々と進む物語。
しかし夏目漱石の描く「諦念」、無気力、
しかし人知れず燃える心の奥底、
そういったものを二人の映画人は見事に自分のものにしている。

表面では生きることに対して
無気力でうつろな目をしている
松田優作演じる主人公。
しかしその心は激しく揺れ動き、
もがき苦しみ悲鳴をあげている。

その心象風景を森田は見事に映像化している。

初めて主人公が想いを外にぶつけるシーン。
静かなのだ…が、
狂おしい程に観る者の心も掻きむしるのだ。

蛇足だが、
かつて『家族ゲーム』で家族全員で食事をとるシーンで
わざと横並びに座らせた。
言葉はあっても通い合わない家族を見事に描いたシーンだが
本作では主人公が想いを打ち明けるシーンで
お互いに目を伏せながらも、言葉につまりながらも
正面を向き合っているのだ。
「告白」の真摯さ、純粋さ、そして重大さが
観客側により伝わってくる。

それにしても、松田優作が39歳という若さでこの世を去り、
その後、二人のタッグが観られなかったこと、
それが悔やまれてならない。

森田監督自身、こう語っている。
「ぼくと優作はすごい。
組めば必ず傑作を作れる、
50歳でこんな作品、60歳でこう、と遥か先まで
予定を思い描いていたんだ。
ぼくはチームのエースを失ってしまった。」

その森田監督もこの世を去った今、
二人が残した名作が今なお鮮やかに心に焼き付く。
ぜひ一度手に取って頂きたい日本映画史に残る名作。


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「それから」
明治時代、実業家の息子で職につかず高等遊民の生活を送っている
長井大助(松田優作)は、学生時代の友人・平岡(小林薫)と再会。
平岡の妻・三千代(藤谷美和子)はかつて長井が愛しながら
身を引いていた女性であった。
やがて長井と三千代はお互いの想いが再燃していくのだが……。

製作国    日本
初公開年月  1985年
監督     森田芳光
出演      松田優作、藤谷美和子、小林薫





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posted by aque at 13:39| Comment(0) | TrackBack(0) | cinema | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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